診療ユニット給水管内除菌システム
皆さんはバイオフィルムをご存知ですか?
バイオフィルムとは、微生物が産生する粘液等より形成する膜状の集合体のことをいいます。 水がある場所に、細菌やウィルス、真菌などがいると、バイオフィルムはどこにでも形成されます。 例えば、キッチンやお風呂の排水口などの“ぬめり”もバイオフィルムです。
歯科でもバイオフィルムという言葉はよく使用されています。 “むし歯”と“歯周病”も、微生物による感染症で、これらの微生物はバイオフィルムやプラークを作ります。また歯石は微生物の死骸や代謝物が石灰化して固形になったものです。
みなさんにお伝えしたいのは、診療ユニット給水系のバイオフィルム対策についてです!
排水口にもできるとお伝えしたバイオフィルムは診療ユニットの給水系経路にも付着します。 バイオフィルムは細菌などの微生物の塊のことをいいます。いわゆるばい菌です。
当院は院内での感染防止のため、給水系経路のバイオフィルム対策は必要であると考え、設備を導入して“綺麗な水”を使用し治療にあたっています。
診療ユニット給水系のバイオフィルム対策の現状
歯科医院では、歯を削る時やお口をすすいでもらう時などに必ず水を使用します。 しかしこの水についてアメリカ疾病予防管理センターは 2003年に提唱した「歯科臨床における院内感染予防ガイドライン」の中で、
給水系のバイオフイルムが絶滅されていなければ、治療用水の細菌汚染をなくすことはできない。
と述べています。
- アメリカ疾病予防管理センターとは?
本センターより勧告される文書は、非常に多くの文献やデータの収集結果を元に作成、発表されるため、世界共通ルール(グローバルスタンダード)とみなされるほどの影響力を持ち、実際に日本やイギリス等でも活用されている。
ウィキペディアより一部抜粋で検索してみてね。
「歯科臨床における院内感染予防ガイドライン(2003年)」の日本語訳は、
エイズ予防情報ネットでご覧いただけます >>
診療ユニットの給水系の院内感染防止については、
厚生労働省が行政の衛生主管部宛てに出した通知の中にもQ&Aとして記載されています。
※この通知は2014年5月18日の読売新聞「ハンドピースの使い回し」の記事を受けて出されたものです。
この通知は千葉県ホームページの医療整備課が公開しております >>
質問の回答を見ると、
診療ユニットの給水系を毎日消毒するよう勧められてはいますが未だに任意であることがわかります。
しかし平成9年の開業以来さまざまな院内感染防止対策を徹底してきた当院の衛生管理システムに妥協はありません。診療ユニットの給水系においても水道水のおおもとに電解中性機能水生成装置を設置し、水回りの衛生環境を構築しております。
当院の電解中性機能水生成装置
宇都宮の当院が導入している電解中性機能水生成装置は (株)セルフメディカルが提供している「ポセイドン」です。
水道水から生成された電解中性機能水が診療ユニットの給水系を常に通水するため、細菌などの微生物の繁殖を抑えてバイオフィルムの形成を抑制し、いつもきれいな水が供給されます。
製造メーカーのキャッチコピーは、
信頼の歯科医療は、『最良の治療水』から。
環境を衛生的に保ち、患者さんにやさしい治療を提供できるよう開発された装置です。
電解中性機能水が生成される仕組み
電解中性機能水は添加物一切なし、水道水のみから生成されます。
水道水の塩素イオンを電気分解し、次亜塩素酸(HClO)と次亜塩素酸イオン(ClO-)を生成します。
これらが含まれた高い残留塩素濃度を持つ除菌水が“電解中性機能水”です。
次亜塩素酸(HCIO)と次亜塩素イオン(CIO-)が有効成分。除菌能力を持つ綺麗な水ができるまで
院内をめぐるきれいな水「電解中性機能水」
ポセイドンで生成される電解中性機能水はpH6.5~7.5、残留塩素濃度 約5ppmに調整されており、 厚生大臣の定める浸出性能試験もクリアした【適飲用】の安全な水です。 当院の治療給水系は以下の図のようになっており、すべての治療で電解中性機能水を使用しています。 治療でも、水道の蛇口をひねっても、安全で安心な電解中性機能水を使用できることは嬉しいかぎりです。宇都宮の当院では、滅菌やお水にもこだわりをもって診療に励んでいます。